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異常性愛
第28章 媒介
愛の無い恋愛やセックスは気楽だった。
赴くままに性欲をぶつけ合い、無責任に快楽だけを貪ればいい。
互いに干渉せず、パートタイムで向き合い、飽きれば相手を変える実りの無い人間関係が私には合っていた。
だが不誠実で嘘にまみれた恋愛ごっこに戻れない自分が、優子や真美を本気にさせている。
どこかでケジメをつけなければ、私は晶子に愛される資格の無い人間になってしまう。
冗談めかして晶子は遊びならいいと言ったが、性欲の塊のような私の行動に懸念を抱いているのだろう。
私たちが育んだ愛を、晶子は壊したくないのだ。
愛を壊すこと、失うことは恐らく一瞬だろう。
¨愛など砂上の楼閣¨だと、過去に亭主から聞いた言葉が思い起こされる。