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異常性愛
第28章 媒介
晶子の気持ちには余裕があるように思えた。
既に私より腹の子に気持ちを寄せていて、私への愛情は降格されているのかもしれない。
晶子が私だけのものでなくなる。
そう思うと少し寂しい。
なぜだろう。
愛情の存在を鮮明に認識してから、私は何物にも独占欲が強くなった。
愛を独り占めしたい。
その思いは晶子にはもちろんのこと、不倫相手の優子も何処へも行かせたくないし、世話の焼ける真美からの好意でさえ、一身に受けたいという気持ちがある。
自分だけを見て欲しいという浅ましさが嫌になる。
私はマザーコンプレックスから脱しきれていないのだろう。
三十五にもなって情け無い話だ。