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第5章 月への道を

りえは、ユウイチと事務所で仕事を始めた。

子供達も事務所で絵を描いていたり、
粘土遊びをしたりと大人しく遊んでいた。

お昼近くになり
タクヤがテイクアウトでお弁当を購入しやってきた。

そして子供達を見つめて、嬉しそうに微笑んだ。
子供達にはお菓子やおもちゃのお土産をあげていた。
子供達ははしゃいで喜んでいた。


午後はタクヤが庭で子供達と遊んでくれたりして
りえは思いの他仕事が捗った。


夕方になり、りえはアパートに子供達と一緒に帰った。

タクヤは子供達の描いた絵を何枚か見ていた。
どれもこれも可愛くて幸せいっぱいの絵だった。

どの絵にもりえとユウイチが描いてあり
タクヤは次第に嫉妬していった。

中でも、ユウイチとりえがキスをしているような絵を見ると、憎しみが湧き出てきた。

ユウヤとユウナは自分では無く
ユウイチの子供？

ユウイチとりえは出来ていた？
りえの相手はユウイチだったのか？


タクヤは過去の記憶を辿っていた。

りえが海辺のあの街にいたのは
父親が仕事であの街にいて
近くにいたいが為に？

タクヤは疑念の念に襲われた。

「タクヤ？」
タクヤの 表情がこわばり
何も言わずに帰って行く姿が気にはなったが
そのままユウイチは仕事に没頭した。