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第5章 月への道を

りえのお腹には
赤ちゃんがいることが判明した。

ユウイチは医師から
このままでは赤ちゃんは育つには難しいし
りえの身体がもたないと言われ

早いうちに堕胎した方がいいと言われた。

ユウイチはりえもお腹の子供も守りたかった。

あんな目にあっても
頑張ってりえのお腹にしがみついている赤ちゃんを
殺す事もできなかった。

「りえ、りえ、目を覚ましてくれよ。俺はりえもユウナもユウヤもお腹の中の子供も大切なんだ。俺が守るから、ちゃんとちゃんと守るから、頑張るから、りえ、戻ってきてくれよ。りえ。りえを愛してる。りえ。りえも俺を愛してくれているなら、戻ってきてくれよ。りえ
…」

ユウイチはりえの手を握りながらりえを呼んだ。


「りえが元気になったら、一緒に暮らそう。暮らす場所は…海が見える場所がいいな。。。月を見ながら浜辺を歩くんだ。。ムーンロードを歩こうよ。裸足で砂浜を。
家から海が見える場所がいいな。りえ、好きだろ？お風呂はガラス張りでみんなで入れるお風呂で、海を見ながら入りたいな。
でも、りえ。りえがいて、子供たちがいる。俺はそれだけで何もいらないから。だからりえ。戻ってきてくれよ。」

ユウイチは毎日りえに語った。
仕事も余裕を持ってできるものだけ請け負っていた。

りえの手を握り
りえにキスをし
りえの身体をマッサージし
髪を梳かし
化粧水を塗り…

りえが目覚めた時に
自分が綺麗なままでいた方がいいから…と