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Moon road〜月への道
第5章 月への道を
午後にタクヤの病院に行くと
タクヤは一人で病院の廊下を歩いていた。

「タクヤくん!凄いわ!頑張ったのね。」

「あ…りえ。」

タクヤはゆっくりバーに捕まりながら歩いていて
りえは後ろからついていった。


「奥さんといつも仲がいいねー」
たまに会う病棟の患者がタクヤに言う。

りえは否定もせずに挨拶をしてタクヤの後ろを歩いて行く。

タクヤがふと立ち止まり、大きため息をついた。

「疲れた?私に捕まる?」
りえはタクヤに肩を貸した。

タクヤはりえの肩を借りながら歩いた。
りえの香りと父親の匂いがりえからした。

タクヤの心は乱れていた。

りえを自分のものにしたかった。
りえの心を自分に向けたかった。

どうしたら…

タクヤはいつもその事を考えていた。

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