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Moon road〜月への道
第2章 出会い
タクヤのプロポーズを受け、
一週間後にりえは会社に辞表を出した。

二人の勤める会社は社内恋愛禁止だったからだ。


二人はコソコソ付き合う気は無く、堂々としていたかったからだ。

りえが会社を辞めるという噂はたちまち社内に広がった。

りえは社内でもアイドル的な存在で、
狙っていた男性社員も多かった。

それが、新入社員に横取りされ、
何とか今からりえを自分のものに出来ないか、
悪あがきをする男性もいた。


昼休みになると

「りえちゃん、辞める前にデートしてよ」

「アドレス交換してよ」

「ランチ、ご馳走するよ」

「帰り、一緒に飲もうよ」

「今度の日曜日空いてる?」

次から次へと誘いが来た。

りえは断る理由を探していた。


「先輩、ダメですよ、りえさんは結婚準備が忙しくなるんだから」

りえが男性社員に呼び出される度に、
タクヤはりえの前に出てきた。

「先輩、僕がりえの代わりに付き合いますよ…」

冗談を交えて先輩社員を追い払っていた。








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