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NEXT 【完結】
第85章 母の思い

「あーんな事されたら、自分の子でも俺、嫉妬するわー。無理無理」
母親にべったりの兄弟を見て、羚汰が何やら想像したらしい。
何を言ってるんだか。
そうは思うものの、嬉しくもある。
椅子がキツキツに置いてあるのをいいことに、羚汰の手が腰に回ってくる。
フルーツを口に頬張っていて、咄嗟に声が出ない。
羚汰は涼し気な顔をして紅茶をすすっている。
そんな羚汰にあたふたしている間に、みんなの話題は今日の予定に変わっていて。
兄弟は、2人して地域のサッカー教室。知世は付き添いで、何やら係も任されている。
父親は今日から特別な展示があるいう美術館に出掛け、母親はNPOで何やら行事があるらしい。イルマは1日バイトだ。
皆慌ただしく用意することになり、解散となる。
稜たちも、早々に出て電車をいくつか乗り換えて新幹線に乗らないと、夕方までにマンションに帰れない。
最寄り駅まで、知世が車を回してくれることになり、その言葉に甘える。
「ごめんなさいねー。最後はバタバタしちゃって」
「またいつでもおいで。その前にわしらも行くけどな」
羚汰の父親に何やらメモを渡された。
どうやら、両家の顔合わせに良い日を選んだらしい。
「そちらに行くからね。この中の日で、ご両親に選んでもらって」
「マジ?親父たち来るの?」
中間地点あたりのどこかの街で、と思っていたのは羚汰も一緒だったらしい。
「そりゃそうだろう」
「リョウのマンション、結局1回も行ってないからね〜」
同棲してるところを見られるのだろうか。
羚汰はその事を言ってるのかわからない。
「そうだ2人のお祝いに、この辺りの絵を...。どれがいいかな」
羚汰の父親が玄関にひしめき合う、自分が描いたであろう絵を物色しはじめた。
「いやいや!いいから!」
「荷物になるか。じゃあ、今度のときに。...ああ、ご両親にも」
「いらないから!!」
羚汰が慌てて止めてくれる。
稜から断るわけにもいかない。
しかし、羚汰にキツく断られてしゅんとなったのをみると、悪いことをしたような気になる。
「リョウくーん!乗って〜!!」
都合よく、クルマを回してくれた知世に助けられ、挨拶して車に乗り込んだ。
母親にべったりの兄弟を見て、羚汰が何やら想像したらしい。
何を言ってるんだか。
そうは思うものの、嬉しくもある。
椅子がキツキツに置いてあるのをいいことに、羚汰の手が腰に回ってくる。
フルーツを口に頬張っていて、咄嗟に声が出ない。
羚汰は涼し気な顔をして紅茶をすすっている。
そんな羚汰にあたふたしている間に、みんなの話題は今日の予定に変わっていて。
兄弟は、2人して地域のサッカー教室。知世は付き添いで、何やら係も任されている。
父親は今日から特別な展示があるいう美術館に出掛け、母親はNPOで何やら行事があるらしい。イルマは1日バイトだ。
皆慌ただしく用意することになり、解散となる。
稜たちも、早々に出て電車をいくつか乗り換えて新幹線に乗らないと、夕方までにマンションに帰れない。
最寄り駅まで、知世が車を回してくれることになり、その言葉に甘える。
「ごめんなさいねー。最後はバタバタしちゃって」
「またいつでもおいで。その前にわしらも行くけどな」
羚汰の父親に何やらメモを渡された。
どうやら、両家の顔合わせに良い日を選んだらしい。
「そちらに行くからね。この中の日で、ご両親に選んでもらって」
「マジ?親父たち来るの?」
中間地点あたりのどこかの街で、と思っていたのは羚汰も一緒だったらしい。
「そりゃそうだろう」
「リョウのマンション、結局1回も行ってないからね〜」
同棲してるところを見られるのだろうか。
羚汰はその事を言ってるのかわからない。
「そうだ2人のお祝いに、この辺りの絵を...。どれがいいかな」
羚汰の父親が玄関にひしめき合う、自分が描いたであろう絵を物色しはじめた。
「いやいや!いいから!」
「荷物になるか。じゃあ、今度のときに。...ああ、ご両親にも」
「いらないから!!」
羚汰が慌てて止めてくれる。
稜から断るわけにもいかない。
しかし、羚汰にキツく断られてしゅんとなったのをみると、悪いことをしたような気になる。
「リョウくーん!乗って〜!!」
都合よく、クルマを回してくれた知世に助けられ、挨拶して車に乗り込んだ。

