この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
NEXT 【完結】
第29章 高崎家

長ったらしい母親の説明を要約すると、その2年程前に帰って来た三男のお嫁さんを探しているとのことらしい。
「なんでもね~、その人、高校時代の稜の事を覚えてるらしくって。釣り書きを見て、是非にお願いしたいって」
「すごいですよね!」
隣に座った理子がなんだか乗り気だ。
「おねえさん、この人の事、覚えてますか?」
写真をもう一度見てみるも、全然印象にない。
「なんだー。覚えてたら、運命的って思っちゃいましたー」
何か引っかかるものを感じて稜が、尋ねる。
「...釣り書きを見て???」
流石に母親がバツが悪そうな顔をしている。
「悪いとは思ったけど、書いて出しといた」
「ええっ!!」
写真は、空人の結婚式の時の振袖を着た写真を送ったらしい。
「あんな3年も前の!?」
「あんたが何度言っても写真も撮らないし、釣り書きも書かないし。仕方なかったんだから!」
母親も、もはや逆ギレである。
「で、見合いするでしょっ。こんないい話中々来ないよ」
「おねえさん、会うだけ会ってみたら?」
義理の娘の援護に、母親が得意げだ。
「そうそう。何も会ってすぐ結婚ってワケじゃないんだし。会うだけ会ってみたら」
「趣味も、草野球、ゴルフ、って書いてあるから、そんなパソコンオタクってわけでもなさそうですし~」
その後もかわるがわる2人に説得されて、稜はとうとう了承してしまった。
遠巻きから見ている、空人の視線も痛かった。
会うだけ会って、さっさと断ろう。
それに、向こうが私の事を気に入るかわからないし。
山本さんの紹介の時のようになるかもしれないし。
そう思った。
帰りもまた、空人が運転して送ってくれている。
「あー。疲れた」
「おつかれ」
「父さん、あーいう時助けてくれるのに、今日はずっと本読んでた」
「ああ。あれね。...名前付けの本」
「?」
「父ちゃんに頼んだんだー。候補を20~30ぐらい考えてくれないかって。んで、その中から、5つぐらいに俺らで絞って。生まれて来て、顔見て決める」
それで真剣な顔をしてずっと本につきっきりだったのか。
「昨日その話したらさ、今朝一番であの本買ってきて。それからずーっと本とにらめっこしてんの。あの人、あんまり表情出さないけど、孫出来て喜んでるんだな」
「なんでもね~、その人、高校時代の稜の事を覚えてるらしくって。釣り書きを見て、是非にお願いしたいって」
「すごいですよね!」
隣に座った理子がなんだか乗り気だ。
「おねえさん、この人の事、覚えてますか?」
写真をもう一度見てみるも、全然印象にない。
「なんだー。覚えてたら、運命的って思っちゃいましたー」
何か引っかかるものを感じて稜が、尋ねる。
「...釣り書きを見て???」
流石に母親がバツが悪そうな顔をしている。
「悪いとは思ったけど、書いて出しといた」
「ええっ!!」
写真は、空人の結婚式の時の振袖を着た写真を送ったらしい。
「あんな3年も前の!?」
「あんたが何度言っても写真も撮らないし、釣り書きも書かないし。仕方なかったんだから!」
母親も、もはや逆ギレである。
「で、見合いするでしょっ。こんないい話中々来ないよ」
「おねえさん、会うだけ会ってみたら?」
義理の娘の援護に、母親が得意げだ。
「そうそう。何も会ってすぐ結婚ってワケじゃないんだし。会うだけ会ってみたら」
「趣味も、草野球、ゴルフ、って書いてあるから、そんなパソコンオタクってわけでもなさそうですし~」
その後もかわるがわる2人に説得されて、稜はとうとう了承してしまった。
遠巻きから見ている、空人の視線も痛かった。
会うだけ会って、さっさと断ろう。
それに、向こうが私の事を気に入るかわからないし。
山本さんの紹介の時のようになるかもしれないし。
そう思った。
帰りもまた、空人が運転して送ってくれている。
「あー。疲れた」
「おつかれ」
「父さん、あーいう時助けてくれるのに、今日はずっと本読んでた」
「ああ。あれね。...名前付けの本」
「?」
「父ちゃんに頼んだんだー。候補を20~30ぐらい考えてくれないかって。んで、その中から、5つぐらいに俺らで絞って。生まれて来て、顔見て決める」
それで真剣な顔をしてずっと本につきっきりだったのか。
「昨日その話したらさ、今朝一番であの本買ってきて。それからずーっと本とにらめっこしてんの。あの人、あんまり表情出さないけど、孫出来て喜んでるんだな」

