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NEXT 【完結】
第31章 相談

「何この罰ゲームみたいな」
キッチンから追い出されて、リビングで巨大な大根と格闘する。
「こっちに、大根おろし入れて、こっち汁ね。どっちも使うから」
大きなボウル2つを羚汰のそばに置く。
「地味にしんどい〜」
「はい。文句言わな〜い!」
羚汰がブツブツ何か言っている。
聞こえないフリをしてキッチンに戻り、野菜や肉をカットする。
ブツブツ言いながらも、1本大根おろしを済ませると素直に稜の所に持ってきた。
「ありがと。疲れたでしょ。休んでていいよ」
「ん」
羚汰は手を洗ってから、フてたようにソファーでぐったり寝転んでいる。
稜は、その後いくつか用意を済ませてから、鍋を運ぶ。
「出来たよー!」
「んー。...何これ!」
「かわいい?ナカナカ苦労しちゃった」
稜が運んできた鍋の野菜たちの上に、大根おろしで出来たアライグマが寝転んでいる。
「スゲー!アライグマじゃん!」
所々醤油で色付けした大根おろしを使って表現したアライグマは、ネットの写真を参考に作った。
「ラテアートじゃないけど、大根おろしアートってゆって流行ってるんだよ。アライグマはナカナカ難しかったー」
稜はカセットコンロに火をつける。
「食べるの勿体無いかも」
羚汰が慌ててスマホで写真を撮る。
稜も自分のスマホを取って、しばしの撮影会だ。
「あ!もう崩れてきた」
「火、つけたからねー。食べよ?アライグマさん、ごめんなさい。...えい!」
稜が、お玉でアライグマを崩す。
「うっわー。...ひでぇ。俺のアライグマちゃんが〜」
「だって、こうしないと食べれないでしょ」
羚汰の器に、鍋をよそう。
「あ、そうだ。ビール飲むでしょ」
稜が冷蔵庫からビールを取り出し、1本を羚汰に手渡す。
「はい。乾杯!」
「乾杯...」
なんだか羚汰の元気がなく、ぼーっと稜の顔を凝視している。
「どうかした?」
「ううん。喜びを噛み締めてたトコ。新婚さんってこんなカンジかなーって」
さっきから、羚汰が「新婚さんみたい」を連発するから、稜は気まずい。後々そっちに話を持っていきたいのに、鍋パーティは失敗かもしれない。
キッチンから追い出されて、リビングで巨大な大根と格闘する。
「こっちに、大根おろし入れて、こっち汁ね。どっちも使うから」
大きなボウル2つを羚汰のそばに置く。
「地味にしんどい〜」
「はい。文句言わな〜い!」
羚汰がブツブツ何か言っている。
聞こえないフリをしてキッチンに戻り、野菜や肉をカットする。
ブツブツ言いながらも、1本大根おろしを済ませると素直に稜の所に持ってきた。
「ありがと。疲れたでしょ。休んでていいよ」
「ん」
羚汰は手を洗ってから、フてたようにソファーでぐったり寝転んでいる。
稜は、その後いくつか用意を済ませてから、鍋を運ぶ。
「出来たよー!」
「んー。...何これ!」
「かわいい?ナカナカ苦労しちゃった」
稜が運んできた鍋の野菜たちの上に、大根おろしで出来たアライグマが寝転んでいる。
「スゲー!アライグマじゃん!」
所々醤油で色付けした大根おろしを使って表現したアライグマは、ネットの写真を参考に作った。
「ラテアートじゃないけど、大根おろしアートってゆって流行ってるんだよ。アライグマはナカナカ難しかったー」
稜はカセットコンロに火をつける。
「食べるの勿体無いかも」
羚汰が慌ててスマホで写真を撮る。
稜も自分のスマホを取って、しばしの撮影会だ。
「あ!もう崩れてきた」
「火、つけたからねー。食べよ?アライグマさん、ごめんなさい。...えい!」
稜が、お玉でアライグマを崩す。
「うっわー。...ひでぇ。俺のアライグマちゃんが〜」
「だって、こうしないと食べれないでしょ」
羚汰の器に、鍋をよそう。
「あ、そうだ。ビール飲むでしょ」
稜が冷蔵庫からビールを取り出し、1本を羚汰に手渡す。
「はい。乾杯!」
「乾杯...」
なんだか羚汰の元気がなく、ぼーっと稜の顔を凝視している。
「どうかした?」
「ううん。喜びを噛み締めてたトコ。新婚さんってこんなカンジかなーって」
さっきから、羚汰が「新婚さんみたい」を連発するから、稜は気まずい。後々そっちに話を持っていきたいのに、鍋パーティは失敗かもしれない。

