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NEXT 【完結】
第37章 クリスマスの奇跡

そう言われても、なんでこんな質問が...。
「大丈夫、怒ってないから。続けて?」
「...で、地元に居れなくなって、お父さんのコネでK大学に通ってる、って聞いたけど。でもK大学、コネなんかで入れないよね??」
「あは。いいから、知ってる事だけ、ね」
なんだか羚汰の声が嬉しそうな気がして、すこし気分が軽くなる。
「...うん」
「それから?」
「...そのぐらい、だよ?」
千夏から前に聞いていたのは、本当にこれぐらいだったと思う。
「あれ、あるじゃん?最近聞いたやつ」
「あ、あの...。子どもがいて、写真を大学内でみんなみ見せて回ってるって聞いたけど。嘘だったんだよね??」
また背後で笑っている気配がするが、否定も肯定もしない。
「以上?」
「...うん」
「そっか。意外と少ないね」
「...もっと、あるの?」
「うーん。どうだろ。あるかもねー?」
羚汰の腕が緩まって、少し振り向くことが出来た。
緊張している稜と違って、羚汰は落ち着いているようだった。
手を伸ばして、スマホをいじっている。
「ねえ、何でこんな質問をするの?」
羚汰が、スマホの画像を稜に見せる。
「はい。これ、見て」
スマホを受取り画面を見る。
大学内の食堂なのか、人が何人か写っている。
「?これ、何?」
さっきの質問から、いきなりスマホを見せられて、何がなんだかわけがわからない。
「この人物」
「ん?」
真ん中から右の人物を、羚汰が指さす。
少し遠い写真なのと、その人物が少し斜めを向いているのでよくわからない。
変わった髪型なのはよくわかる。
ツーブロックなのだろうか、キツイくるくるの長め髪の毛を片側に流して、反対側は刈上げている。
髪は真っ黒で、黒光りしている。なんともアンバランスで不思議な髪型だ。
顔はよくわからないが、すっきりした和風な顔立ちだ。
なんだか派手な色遣いの迷彩のつなぎのようなものを着ている。
一見して、稜にはちょっと近寄りがたいような雰囲気だ。
羚汰の友達だろうか。
でも、なんでこの写真を?
「...この人が、何か?」
見上げると、羚汰がにやにやと笑っている。
「稜の、知ってる人でしょ?」
「え?こんな人知らないよ??」
「“サイトウ、リョウ”くんだよ」
「大丈夫、怒ってないから。続けて?」
「...で、地元に居れなくなって、お父さんのコネでK大学に通ってる、って聞いたけど。でもK大学、コネなんかで入れないよね??」
「あは。いいから、知ってる事だけ、ね」
なんだか羚汰の声が嬉しそうな気がして、すこし気分が軽くなる。
「...うん」
「それから?」
「...そのぐらい、だよ?」
千夏から前に聞いていたのは、本当にこれぐらいだったと思う。
「あれ、あるじゃん?最近聞いたやつ」
「あ、あの...。子どもがいて、写真を大学内でみんなみ見せて回ってるって聞いたけど。嘘だったんだよね??」
また背後で笑っている気配がするが、否定も肯定もしない。
「以上?」
「...うん」
「そっか。意外と少ないね」
「...もっと、あるの?」
「うーん。どうだろ。あるかもねー?」
羚汰の腕が緩まって、少し振り向くことが出来た。
緊張している稜と違って、羚汰は落ち着いているようだった。
手を伸ばして、スマホをいじっている。
「ねえ、何でこんな質問をするの?」
羚汰が、スマホの画像を稜に見せる。
「はい。これ、見て」
スマホを受取り画面を見る。
大学内の食堂なのか、人が何人か写っている。
「?これ、何?」
さっきの質問から、いきなりスマホを見せられて、何がなんだかわけがわからない。
「この人物」
「ん?」
真ん中から右の人物を、羚汰が指さす。
少し遠い写真なのと、その人物が少し斜めを向いているのでよくわからない。
変わった髪型なのはよくわかる。
ツーブロックなのだろうか、キツイくるくるの長め髪の毛を片側に流して、反対側は刈上げている。
髪は真っ黒で、黒光りしている。なんともアンバランスで不思議な髪型だ。
顔はよくわからないが、すっきりした和風な顔立ちだ。
なんだか派手な色遣いの迷彩のつなぎのようなものを着ている。
一見して、稜にはちょっと近寄りがたいような雰囲気だ。
羚汰の友達だろうか。
でも、なんでこの写真を?
「...この人が、何か?」
見上げると、羚汰がにやにやと笑っている。
「稜の、知ってる人でしょ?」
「え?こんな人知らないよ??」
「“サイトウ、リョウ”くんだよ」

