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NEXT 【完結】
第40章 candle night

「うん...」
自信がなさげな羚汰が、ポケットから小さな箱を取り出す。
「!!!」
「ホントはさ。ほら、あのブルーの箱のとこ、あそこで買いたかったんだけど、ちょっと俺には無理だって...。ごめん!」
そう言いながら、シルバー色の箱を稜に差し出す。
その箱は、ブルーの箱のあの有名なブランドにはほど遠かったが、若い女の子には名の通ったジュエリーブランドのものだった。
「恥ずかしいから、寝てる間に指にはめとこうと思ってたんだけど...」
ああ、やっぱり。
箱の大きさ的に指輪かなと思ったが、羚汰がそう言うのを聞いて確信する。
まさか、指輪をくれるとは思っていなかった。
驚きで指どころか、貰ったまま手が動かない。
「...驚いた?」
慌てて何度も頷く。
何をどうしゃべっていいのか、言葉が出てこない。
「...開けようか?」
また何度も頷く。
羚汰がもう一度手にして、リボンを解き、箱を開け、指輪を取り出す。
「右手、出して」
右手を差し出すと、薬指にその指輪をはめはじめる。
ゴールドの細い指輪には、可愛い石がいくつかついた小さな可愛いリボンが付いている。
「...かわいい」
指輪を目の前にして、やっとぽつりと言葉が出てきた。
はめ終わった羚汰も、稜の手の先を握ったまま、恥ずかしそうに笑っている。
「そんな高いやつじゃないから、安心して貰って?」
稜が慌てて首を振る。
1000円2000円の安物ではないことは一目瞭然だ。
学生からしたら結構な金額の筈だ。
羚汰にあわせたつもりで、手作りのピアスにした自分が恥ずかしい。
「ううん。すごく素敵!大事にするね」
「...一応、このリボンには意味があって」
羚汰がつないだ手の親指で、指輪を静かにそっと撫でる。
顔がちょっと下向き加減で、稜からは目を伏せているように見え、表情がわからない。
「リボンに?」
どういう意味だろ。お店のデザインコンセプトって意味??
「...来年。こっちの指に、ちゃんとしたヤツ、買うから。...それまで...。約束のシルシ、って意味もあるんだけど」
反対の手も、いつの間にか同じく稜の薬指の付け根を撫でている。
その何もない左手に目をやり、やっとその意味を理解する。
「!!!!」
自信がなさげな羚汰が、ポケットから小さな箱を取り出す。
「!!!」
「ホントはさ。ほら、あのブルーの箱のとこ、あそこで買いたかったんだけど、ちょっと俺には無理だって...。ごめん!」
そう言いながら、シルバー色の箱を稜に差し出す。
その箱は、ブルーの箱のあの有名なブランドにはほど遠かったが、若い女の子には名の通ったジュエリーブランドのものだった。
「恥ずかしいから、寝てる間に指にはめとこうと思ってたんだけど...」
ああ、やっぱり。
箱の大きさ的に指輪かなと思ったが、羚汰がそう言うのを聞いて確信する。
まさか、指輪をくれるとは思っていなかった。
驚きで指どころか、貰ったまま手が動かない。
「...驚いた?」
慌てて何度も頷く。
何をどうしゃべっていいのか、言葉が出てこない。
「...開けようか?」
また何度も頷く。
羚汰がもう一度手にして、リボンを解き、箱を開け、指輪を取り出す。
「右手、出して」
右手を差し出すと、薬指にその指輪をはめはじめる。
ゴールドの細い指輪には、可愛い石がいくつかついた小さな可愛いリボンが付いている。
「...かわいい」
指輪を目の前にして、やっとぽつりと言葉が出てきた。
はめ終わった羚汰も、稜の手の先を握ったまま、恥ずかしそうに笑っている。
「そんな高いやつじゃないから、安心して貰って?」
稜が慌てて首を振る。
1000円2000円の安物ではないことは一目瞭然だ。
学生からしたら結構な金額の筈だ。
羚汰にあわせたつもりで、手作りのピアスにした自分が恥ずかしい。
「ううん。すごく素敵!大事にするね」
「...一応、このリボンには意味があって」
羚汰がつないだ手の親指で、指輪を静かにそっと撫でる。
顔がちょっと下向き加減で、稜からは目を伏せているように見え、表情がわからない。
「リボンに?」
どういう意味だろ。お店のデザインコンセプトって意味??
「...来年。こっちの指に、ちゃんとしたヤツ、買うから。...それまで...。約束のシルシ、って意味もあるんだけど」
反対の手も、いつの間にか同じく稜の薬指の付け根を撫でている。
その何もない左手に目をやり、やっとその意味を理解する。
「!!!!」

