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NEXT 【完結】
第43章 買い物デート

「やだよ。だって...」
絶対声が出ちゃう。
そう言おうとして、言葉に詰まる。
声が出なければ、やりたいと言っているようなものだ。
そんな稜の様子に気付いたのか、羚汰が嬉しそうな顔をしている。
「胸だけじゃ物足りない?」
「!そういう意味じゃないよ」
稜は顔を真っ赤にしたまま俯いて答える。
「だって、手をつなぐだけなら普通の座席でもよくない?せっかくカップルシートなんだからさ。もうちょっとイチャイチャしたいじゃん?ね?」
そんな可愛い顔して頼むように聞かれても困る。
思わず、しょーがないな、そのぐらいなら、とか言っちゃいそうだ。
「...でも、他の人たちもいるし。見られたら嫌じゃない」
カップルシートだけならまだしも、一般のシートもあるし。
不愉快に思う人もいるだろう。
駅前を少し離れた映画館から、飲食店がある方角へ近道と裏路地を歩いていたのだが、急に羚汰が違う方向に手を引っ張り、より路地へと入る。
およそ通行人も通らない、お店の勝手口のある暗がりへ連れ込まれて、そこで唇が重なる。
「んっ...」
驚いていたら、角度を変えて下唇を吸われ、思わず息を吐いた所に舌が入ってくる。
様子を見ながら優しく動いていたが、稜が観念して体を預けた途端、抱きしめる力を強めて、激しく這い回る。
稜も羚汰にしがみつくようにして、必死に応える。
「んっ...ん、んっ...」
「はぁっ...人が居ないトコならいいんでしょ?」
そう言って尚も稜の舌を求めて、傾いた羚汰の顔が近づく。
「そーいう意味じゃ...はぁんっ...ん」
羚汰の舌使いに蕩けてしまいそうになる。
そんな体の力が抜けた稜をやさしく抱きとめる。
稜の顔に手を当て、親指で唇をなでる。
甘い吐息を吐く稜に、羚汰が満足そうに囁く。
「ご飯、食べに行く?」
「...行く」
一瞬、このまま続きを始めるのかと思った。
「続きは帰ってから、...ね?」
「!」
見透かされたようにそう言われ、軽く唇が重なる。
悔しくて預けていた体を自分から離そうとするも、ふらついて、結局羚汰に抱えられる。
「大丈夫?」
「うん...」
悔しいけれど仕方ない。
抱えられるようにして歩き出す。
絶対声が出ちゃう。
そう言おうとして、言葉に詰まる。
声が出なければ、やりたいと言っているようなものだ。
そんな稜の様子に気付いたのか、羚汰が嬉しそうな顔をしている。
「胸だけじゃ物足りない?」
「!そういう意味じゃないよ」
稜は顔を真っ赤にしたまま俯いて答える。
「だって、手をつなぐだけなら普通の座席でもよくない?せっかくカップルシートなんだからさ。もうちょっとイチャイチャしたいじゃん?ね?」
そんな可愛い顔して頼むように聞かれても困る。
思わず、しょーがないな、そのぐらいなら、とか言っちゃいそうだ。
「...でも、他の人たちもいるし。見られたら嫌じゃない」
カップルシートだけならまだしも、一般のシートもあるし。
不愉快に思う人もいるだろう。
駅前を少し離れた映画館から、飲食店がある方角へ近道と裏路地を歩いていたのだが、急に羚汰が違う方向に手を引っ張り、より路地へと入る。
およそ通行人も通らない、お店の勝手口のある暗がりへ連れ込まれて、そこで唇が重なる。
「んっ...」
驚いていたら、角度を変えて下唇を吸われ、思わず息を吐いた所に舌が入ってくる。
様子を見ながら優しく動いていたが、稜が観念して体を預けた途端、抱きしめる力を強めて、激しく這い回る。
稜も羚汰にしがみつくようにして、必死に応える。
「んっ...ん、んっ...」
「はぁっ...人が居ないトコならいいんでしょ?」
そう言って尚も稜の舌を求めて、傾いた羚汰の顔が近づく。
「そーいう意味じゃ...はぁんっ...ん」
羚汰の舌使いに蕩けてしまいそうになる。
そんな体の力が抜けた稜をやさしく抱きとめる。
稜の顔に手を当て、親指で唇をなでる。
甘い吐息を吐く稜に、羚汰が満足そうに囁く。
「ご飯、食べに行く?」
「...行く」
一瞬、このまま続きを始めるのかと思った。
「続きは帰ってから、...ね?」
「!」
見透かされたようにそう言われ、軽く唇が重なる。
悔しくて預けていた体を自分から離そうとするも、ふらついて、結局羚汰に抱えられる。
「大丈夫?」
「うん...」
悔しいけれど仕方ない。
抱えられるようにして歩き出す。

