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NEXT 【完結】
第47章 思い込み

どうしてですか、って。こっちがそれを聞きたい。
「お世話になります。宅急便でーす」
そんな時に、いつもの宅配のお兄ちゃんがやってくる。
「ハンコを~」
入り口近くで立っている稜にハンコを求められるも、稜は無言でデスクの方を片手を伸ばして誘導する。
コートを着たまま入り口に突っ立っている稜を不思議に思っているので、仕方なく佐々木の向かいに座る。
桃香が飛んできて対応している。
椅子に座って、何をどう言って理解してもらおうか考えていると、佐々木の方から話し出す。
佐々木は、組んでいた足を降ろして、稜の方へ向き直り、肘をテーブルについて、両手を組みその上に顎を乗せている。
いちいちポーズが気取っていて、見ていて腹が立ってくる。
「僕もね。まだ結婚は早いかなって思うんですけど、母親が僕の子どもの顔が見たいって言ってるんですよ。父が亡くなって母も気落ちしているんで、この際早く親孝行したほうがいいかなって思って。
稜さんも、その歳で僕以上の人物と出会う確率なんて無いんですし、何が不満なんですか」
「不満とかそういう問題じゃないです。私が、佐々木さんとの結婚が考えられないんです。...嫌なんです」
遠回しに言ってもわからないだろう。
ここは『嫌』と言い切った方が良いと思った。
「嫌!?」
初めて聞いたように驚く。
稜は力強く頷く。
「どこが嫌なんですか。ちょっぴり太ってるからですか。だからこれは、今ちょっと太ってしまっただけで、痩せようと思ったらすぐ痩せれるので...」
ちょっぴりじゃないし、すぐ痩せれるレベルではないし。
そもそも、そこが問題ではない。
「違います。私、佐々木さんのその考え方が全く理解できません。根本的に考え方が違うと思います。
お見合いの時から、話がかみ合わなくて、苦痛でした。今もです。
私の気持ちを勝手に決めつけられ、不愉快です。先ほどから、佐々木さんとは結婚するつもりもお付き合いするつもりも全くありませんとお伝えしているはずです。
その言葉通りの意味です。
お引き取り下さい」
いきなり稜が、長々と話し始めたのをビックリしている。
動きが止まったようにして、椅子から立ち上がる気配もない。
「すいません。私、仕事がありますので」
稜が立ち上がって、デスクのほうへ進む。
「お世話になります。宅急便でーす」
そんな時に、いつもの宅配のお兄ちゃんがやってくる。
「ハンコを~」
入り口近くで立っている稜にハンコを求められるも、稜は無言でデスクの方を片手を伸ばして誘導する。
コートを着たまま入り口に突っ立っている稜を不思議に思っているので、仕方なく佐々木の向かいに座る。
桃香が飛んできて対応している。
椅子に座って、何をどう言って理解してもらおうか考えていると、佐々木の方から話し出す。
佐々木は、組んでいた足を降ろして、稜の方へ向き直り、肘をテーブルについて、両手を組みその上に顎を乗せている。
いちいちポーズが気取っていて、見ていて腹が立ってくる。
「僕もね。まだ結婚は早いかなって思うんですけど、母親が僕の子どもの顔が見たいって言ってるんですよ。父が亡くなって母も気落ちしているんで、この際早く親孝行したほうがいいかなって思って。
稜さんも、その歳で僕以上の人物と出会う確率なんて無いんですし、何が不満なんですか」
「不満とかそういう問題じゃないです。私が、佐々木さんとの結婚が考えられないんです。...嫌なんです」
遠回しに言ってもわからないだろう。
ここは『嫌』と言い切った方が良いと思った。
「嫌!?」
初めて聞いたように驚く。
稜は力強く頷く。
「どこが嫌なんですか。ちょっぴり太ってるからですか。だからこれは、今ちょっと太ってしまっただけで、痩せようと思ったらすぐ痩せれるので...」
ちょっぴりじゃないし、すぐ痩せれるレベルではないし。
そもそも、そこが問題ではない。
「違います。私、佐々木さんのその考え方が全く理解できません。根本的に考え方が違うと思います。
お見合いの時から、話がかみ合わなくて、苦痛でした。今もです。
私の気持ちを勝手に決めつけられ、不愉快です。先ほどから、佐々木さんとは結婚するつもりもお付き合いするつもりも全くありませんとお伝えしているはずです。
その言葉通りの意味です。
お引き取り下さい」
いきなり稜が、長々と話し始めたのをビックリしている。
動きが止まったようにして、椅子から立ち上がる気配もない。
「すいません。私、仕事がありますので」
稜が立ち上がって、デスクのほうへ進む。

