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NEXT 【完結】
第50章 ドライブデート

「もう笑うのやめて〜」
車の助手席で、羚汰がお腹を抱えて笑っている。
「あの時の稜の顔、今思い出しても笑える〜」
羚汰は、思い出し笑いをしているのだ。
金曜日の夜、羚汰がアキラさんと飲みに行くというので、実家に帰って一泊した。
佐々木のことを報告しといたほうがいいと思ったからだ。
電話で簡単になんか済みそうになかった。
土曜日にランチを千夏と有希子とすることになっていたが、その後は、半日時間がある。
それならば、と思い付き、稜は実家に預けている車に乗って帰った。
車があれば、羚汰といろんな場所に遊びに行ける。
この前、家具屋に行く予定を車がないからと諦めたのも、これで解決する。
有希子が選んだランチのお店が、少し駅から離れた場所にあるのもあって、マンションから車で出かけていた。
その帰りだ。
“面接”に、稜のほうが緊張してしまって、ガチガチだった。
その様子を羚汰が思い出して笑っている。
「だって、スプーンを持つ手がプルプルってなってて、ポタージュ溢れてたし!」
沢山人がいるところだと、話しにくいかもということで、有希子が選んだのは、小さな古民家を改装して、毎日一組限定でランチをしているお店だった。
中年のご夫婦が2人でされているお店で、シェフが女性で、男性が給仕だ。
料理は、素朴で着飾らない、お箸でいただくフレンチ。
お値段もそんなにびっくりするようなものではない。
軽く自己紹介をしてから、最初の前菜が出てくるまで、沈黙が続いてかなり気まずかった。
そこで一気に緊張してしまったのだ。
それからもなかなか打ち解けることはなく、緊張して喉が乾き水ばかり飲んだ。
途中からトイレに頻繁に行くハメになり、その何回目かのトイレから帰ったら、3人は大笑いしていて、仲良くなっていたのだ。
そして、千夏たちと別れてから随分経つのに、羚汰がまだ思い出し笑いをしている。
稜にはサッパリわからない。
「もー、本当に笑い過ぎ!」
「ごめんごめん。でも、そのオカゲで、めっちゃ仲良くなれたしさ。マジで、助かった」
?オカゲ?
「稜の緊張がオカシ過ぎるってさ、3人でちょー盛りー上がったんだ」
「!そーだったの?」
恥ずかしすぎる。
「だって、俺なんかより緊張してて。俺、そんな稜見てたら緊張なんて出来なかったし」
車の助手席で、羚汰がお腹を抱えて笑っている。
「あの時の稜の顔、今思い出しても笑える〜」
羚汰は、思い出し笑いをしているのだ。
金曜日の夜、羚汰がアキラさんと飲みに行くというので、実家に帰って一泊した。
佐々木のことを報告しといたほうがいいと思ったからだ。
電話で簡単になんか済みそうになかった。
土曜日にランチを千夏と有希子とすることになっていたが、その後は、半日時間がある。
それならば、と思い付き、稜は実家に預けている車に乗って帰った。
車があれば、羚汰といろんな場所に遊びに行ける。
この前、家具屋に行く予定を車がないからと諦めたのも、これで解決する。
有希子が選んだランチのお店が、少し駅から離れた場所にあるのもあって、マンションから車で出かけていた。
その帰りだ。
“面接”に、稜のほうが緊張してしまって、ガチガチだった。
その様子を羚汰が思い出して笑っている。
「だって、スプーンを持つ手がプルプルってなってて、ポタージュ溢れてたし!」
沢山人がいるところだと、話しにくいかもということで、有希子が選んだのは、小さな古民家を改装して、毎日一組限定でランチをしているお店だった。
中年のご夫婦が2人でされているお店で、シェフが女性で、男性が給仕だ。
料理は、素朴で着飾らない、お箸でいただくフレンチ。
お値段もそんなにびっくりするようなものではない。
軽く自己紹介をしてから、最初の前菜が出てくるまで、沈黙が続いてかなり気まずかった。
そこで一気に緊張してしまったのだ。
それからもなかなか打ち解けることはなく、緊張して喉が乾き水ばかり飲んだ。
途中からトイレに頻繁に行くハメになり、その何回目かのトイレから帰ったら、3人は大笑いしていて、仲良くなっていたのだ。
そして、千夏たちと別れてから随分経つのに、羚汰がまだ思い出し笑いをしている。
稜にはサッパリわからない。
「もー、本当に笑い過ぎ!」
「ごめんごめん。でも、そのオカゲで、めっちゃ仲良くなれたしさ。マジで、助かった」
?オカゲ?
「稜の緊張がオカシ過ぎるってさ、3人でちょー盛りー上がったんだ」
「!そーだったの?」
恥ずかしすぎる。
「だって、俺なんかより緊張してて。俺、そんな稜見てたら緊張なんて出来なかったし」

