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NEXT 【完結】
第55章 スーツケースの秘密

年齢的にも稜が女子高校生は、どうせおかしいと考えた結果、先生の設定にした。
大学時代に史学科だった稜は、中学校の教育実習に行った事があった。
なので、最初は教員で考えていて。
しかし、羚汰にさり気なくー、といってもバレバレだったらしいが、リサーチをしたら、保険医さんに憧れていたとか言うので、路線を変更した。
白衣も弟の空人の大学生の時のもので。
そのせいで、かなり大きいが仕方ない。
聴診器は、100円均一のパーティグッズコーナーにあった、明らかに安っぽいおもちゃだ。
「でも僕、本当に熱っぽくって、それに体がだるいんです...」
打ち合わせしていたワケではないが、羚汰が合わせてくれている。
おでこに手を当て、気だるそうにため息をつく。
その仕草がかなり色っぽくて、稜は仕掛ける側なのにドキドキが止まらない。
「そう...」
「ほら、調べてくださいよ」
羚汰が擦り寄る様に近づいて、オデコを差し出す。
「え、あ...うん」
慌てて首に下げている聴診器を取ろうとするも、くたっと首に巻きついていて取りにくい。
取り損ねて、床に落としてしまい、慌てて拾い上げる。
真っ赤になってオロオロする稜に、落ち着き払った羚汰が声を掛ける。
「高崎先生も、顔赤いですね」
「っ、そんなことな...」
いつの間にか立ち上がっていた羚汰が、稜の座る椅子の背もたれと、隣にある机の上に手をついて、稜に近づいてオデコを合わせる。
「っ!!」
イキナリの至近距離に体がビクッとなる。
触れたオデコが熱く、見つめられる羚汰の眼差しが熱く、それまで以上に自分が赤面してゆくのがわかる。
「やっぱり」
オデコを合わせたまま、羚汰がにいっと笑う。
「わ、私はいいのっ!」
体を引いてオデコを離し、羚汰から離れる。
「...可愛い」
ぽそっとこぼした羚汰を軽く睨む。
「斉藤くん!」
可笑しい。今日は、羚汰をドキドキさせたいのに。
さっきから稜が返り討ちにあってばかりだ。
羚汰もやり過ぎたと思ったのか、にやにや笑いながらも座り直している。
「はーい」
「...一応、心音を調べますから、前開けて」
聴診器を握りしめてそう言うと、羚汰が躊躇いなく学ランの前を開ける。
大学時代に史学科だった稜は、中学校の教育実習に行った事があった。
なので、最初は教員で考えていて。
しかし、羚汰にさり気なくー、といってもバレバレだったらしいが、リサーチをしたら、保険医さんに憧れていたとか言うので、路線を変更した。
白衣も弟の空人の大学生の時のもので。
そのせいで、かなり大きいが仕方ない。
聴診器は、100円均一のパーティグッズコーナーにあった、明らかに安っぽいおもちゃだ。
「でも僕、本当に熱っぽくって、それに体がだるいんです...」
打ち合わせしていたワケではないが、羚汰が合わせてくれている。
おでこに手を当て、気だるそうにため息をつく。
その仕草がかなり色っぽくて、稜は仕掛ける側なのにドキドキが止まらない。
「そう...」
「ほら、調べてくださいよ」
羚汰が擦り寄る様に近づいて、オデコを差し出す。
「え、あ...うん」
慌てて首に下げている聴診器を取ろうとするも、くたっと首に巻きついていて取りにくい。
取り損ねて、床に落としてしまい、慌てて拾い上げる。
真っ赤になってオロオロする稜に、落ち着き払った羚汰が声を掛ける。
「高崎先生も、顔赤いですね」
「っ、そんなことな...」
いつの間にか立ち上がっていた羚汰が、稜の座る椅子の背もたれと、隣にある机の上に手をついて、稜に近づいてオデコを合わせる。
「っ!!」
イキナリの至近距離に体がビクッとなる。
触れたオデコが熱く、見つめられる羚汰の眼差しが熱く、それまで以上に自分が赤面してゆくのがわかる。
「やっぱり」
オデコを合わせたまま、羚汰がにいっと笑う。
「わ、私はいいのっ!」
体を引いてオデコを離し、羚汰から離れる。
「...可愛い」
ぽそっとこぼした羚汰を軽く睨む。
「斉藤くん!」
可笑しい。今日は、羚汰をドキドキさせたいのに。
さっきから稜が返り討ちにあってばかりだ。
羚汰もやり過ぎたと思ったのか、にやにや笑いながらも座り直している。
「はーい」
「...一応、心音を調べますから、前開けて」
聴診器を握りしめてそう言うと、羚汰が躊躇いなく学ランの前を開ける。

