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NEXT 【完結】
第58章 3週間ぶり

電気も消して、鍵をかけ、ビルを降りる。
駅の方角に、微笑をたたえたままの羚汰がつないだ手をぐんぐん引っ張り早足で歩く。
いつもなら、派手な柄のパンツ姿なのに、高級スーツに出張帰りっぽい荷物を引きずる羚汰は、仕事が出来るビジネスマン風に変身している。
それでいてあの容姿だ。
夜11時近かったが、駅近くということもあって、そこそこ人通りがある。
すれ違う人が、羚汰を振り返ってみている。
その人たちにどこに向かっているかなんてわからないだろうに、稜は恥ずかしくなってくる。
なんて言っても、向かうのは、ラブホテル。
しかも、遠くからビルの上の古びたネオン看板しか見たことがないので想像だが、結構年季の入ったトコだろう。
羚汰は、知っているのかな。
...?あれ?
なんだか違う方角に歩いている気がする。
でも、羚汰の歩みに躊躇いはなく、信じて進んでいる感じだ。
「羚汰っ、ちょっと、待って」
「何?」
振り向きもせず、歩くスピードを変えようとせず、そう聞き返してきた。
その腕を引っ張って、スピードを遅らせようとする。
だって、明らかに方角が違う。
でも、稜からラブホに誘導して行くのも...。
「どこ...行く...の?」
はぁあ?
明らかにムッとした声を出して、羚汰が足を止めた振り返る。
「何、やめんの?」
「...っ、だって、そっちは...」
羚汰に連れてこられて今いる位置は、駅の裏口にはなるが、ほぼ駅前の賑やかな通りで。
飲食店や、コンビニなど賑やかで明るい通りだ。
その向こうには、ラブホテルはなさげで。
駅を超えてだいぶん行った辺りに、ラブホテル街があるにはあるが、歩いて向かうには少し遠いので、そこに向かっているとは思えない。
「あそこ、行こうと思ってるんだけど?」
羚汰がほぼ真上に指し示した指の先には、駅に面したリッチな20階建てのシティホテルが佇んでいる。
「あ...ここ。てっきり...」
ん?羚汰が指さしたのって。
「ええっ!!」
「ええって、今更何言ってんの。ほら、行くよ」
「だって、ここって」
駅の裏口とはいえ、面したシティホテルは、ここ数年前に建ったばかりのお洒落なビルで。
1階〜3階と、最上階はレストランなどが入っていて、結構人気なホテルだ。
駅の方角に、微笑をたたえたままの羚汰がつないだ手をぐんぐん引っ張り早足で歩く。
いつもなら、派手な柄のパンツ姿なのに、高級スーツに出張帰りっぽい荷物を引きずる羚汰は、仕事が出来るビジネスマン風に変身している。
それでいてあの容姿だ。
夜11時近かったが、駅近くということもあって、そこそこ人通りがある。
すれ違う人が、羚汰を振り返ってみている。
その人たちにどこに向かっているかなんてわからないだろうに、稜は恥ずかしくなってくる。
なんて言っても、向かうのは、ラブホテル。
しかも、遠くからビルの上の古びたネオン看板しか見たことがないので想像だが、結構年季の入ったトコだろう。
羚汰は、知っているのかな。
...?あれ?
なんだか違う方角に歩いている気がする。
でも、羚汰の歩みに躊躇いはなく、信じて進んでいる感じだ。
「羚汰っ、ちょっと、待って」
「何?」
振り向きもせず、歩くスピードを変えようとせず、そう聞き返してきた。
その腕を引っ張って、スピードを遅らせようとする。
だって、明らかに方角が違う。
でも、稜からラブホに誘導して行くのも...。
「どこ...行く...の?」
はぁあ?
明らかにムッとした声を出して、羚汰が足を止めた振り返る。
「何、やめんの?」
「...っ、だって、そっちは...」
羚汰に連れてこられて今いる位置は、駅の裏口にはなるが、ほぼ駅前の賑やかな通りで。
飲食店や、コンビニなど賑やかで明るい通りだ。
その向こうには、ラブホテルはなさげで。
駅を超えてだいぶん行った辺りに、ラブホテル街があるにはあるが、歩いて向かうには少し遠いので、そこに向かっているとは思えない。
「あそこ、行こうと思ってるんだけど?」
羚汰がほぼ真上に指し示した指の先には、駅に面したリッチな20階建てのシティホテルが佇んでいる。
「あ...ここ。てっきり...」
ん?羚汰が指さしたのって。
「ええっ!!」
「ええって、今更何言ってんの。ほら、行くよ」
「だって、ここって」
駅の裏口とはいえ、面したシティホテルは、ここ数年前に建ったばかりのお洒落なビルで。
1階〜3階と、最上階はレストランなどが入っていて、結構人気なホテルだ。

