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NEXT 【完結】
第59章 ハルノナヤミ

顔を真っ赤にして立ち上がった稜のほっぺを、笑いながら羚汰がつつく。
「じゃ、今度は俺の番ね〜」
椅子に座り、きょとんとしている稜を見上げる。
「稜?かーみっ。乾かして?」
そう言われて、やっと意味がわかった。
わしゃわしゃとしながらドライヤーをかけてゆく。
ふわふわしていた髪は、ちょっと前に短くなって、それから少し伸びてきているので、前よりふわふわ感が少ない。
髪の色も、以前はかなり明るかったのが、だいぶ暗くに染めて、それからまた染め直したのか、アッシュ系のなんとも言えない不思議な色だ。
「変わった色だよね。また染めたの?」
「あー。前のがちょっと抜けて来たんだよ。なんかね。その前が明るすぎて、色がスグには入ってかないらしんだよねー。そろそろ本腰入れて就活しなきゃだから、もっと暗くしたいんだけど」
就活。
久しぶりに聞くその言葉に、わずかな違和感を感じる。
それでも髪の毛を乾かしていると、一つもピアスをつけてない耳に今更ながらに気付かされる。
スーツ姿で、この不思議な髪色にピアスをあんなにしていたら、夜のお仕事の人っぽくなるから仕方ないのかもしれない。
昨日は、普段見たことがないスーツ姿にときめいたけど。
これからどんどん羚汰は変わってゆく。
胸の奥がなんだかきゅーっと痛い。
「稜?」
「え?あ、ごめん。ぼーっとしてた」
最後にくしゃしゃっとしてドライヤーを切る。
「早く服着て。時間ないし、風邪ひいちゃう」
「うん」
少し不思議そうな顔をしていたが、時計を見て羚汰も焦り出す。
「やっべ。マック食べる時間なくなるー」
稜は、久しぶりに朝から、こってりしたバーガーを食べて会社に来ていた。
お腹が空いていたらしく、匂いにもつられて、意外にもぺろりと食べきった。
羚汰は朝から2つも食べて、かつ大盛りポテトも食べていた。
その羚汰に差し出され、いくつか食べたポテトが今、胃にずっしり来ている。
ふう。
とため息をひとつついていると、椅子のコマを使って桃香がやってくる。
なんだかニヤニヤしていて、目が合わせにくい。
「うふふー」
「...何?」
「昨日はどこかお泊まりですかー?」
他のスタッフに気づかれないようにか、こっそりと聞いてくる。
「じゃ、今度は俺の番ね〜」
椅子に座り、きょとんとしている稜を見上げる。
「稜?かーみっ。乾かして?」
そう言われて、やっと意味がわかった。
わしゃわしゃとしながらドライヤーをかけてゆく。
ふわふわしていた髪は、ちょっと前に短くなって、それから少し伸びてきているので、前よりふわふわ感が少ない。
髪の色も、以前はかなり明るかったのが、だいぶ暗くに染めて、それからまた染め直したのか、アッシュ系のなんとも言えない不思議な色だ。
「変わった色だよね。また染めたの?」
「あー。前のがちょっと抜けて来たんだよ。なんかね。その前が明るすぎて、色がスグには入ってかないらしんだよねー。そろそろ本腰入れて就活しなきゃだから、もっと暗くしたいんだけど」
就活。
久しぶりに聞くその言葉に、わずかな違和感を感じる。
それでも髪の毛を乾かしていると、一つもピアスをつけてない耳に今更ながらに気付かされる。
スーツ姿で、この不思議な髪色にピアスをあんなにしていたら、夜のお仕事の人っぽくなるから仕方ないのかもしれない。
昨日は、普段見たことがないスーツ姿にときめいたけど。
これからどんどん羚汰は変わってゆく。
胸の奥がなんだかきゅーっと痛い。
「稜?」
「え?あ、ごめん。ぼーっとしてた」
最後にくしゃしゃっとしてドライヤーを切る。
「早く服着て。時間ないし、風邪ひいちゃう」
「うん」
少し不思議そうな顔をしていたが、時計を見て羚汰も焦り出す。
「やっべ。マック食べる時間なくなるー」
稜は、久しぶりに朝から、こってりしたバーガーを食べて会社に来ていた。
お腹が空いていたらしく、匂いにもつられて、意外にもぺろりと食べきった。
羚汰は朝から2つも食べて、かつ大盛りポテトも食べていた。
その羚汰に差し出され、いくつか食べたポテトが今、胃にずっしり来ている。
ふう。
とため息をひとつついていると、椅子のコマを使って桃香がやってくる。
なんだかニヤニヤしていて、目が合わせにくい。
「うふふー」
「...何?」
「昨日はどこかお泊まりですかー?」
他のスタッフに気づかれないようにか、こっそりと聞いてくる。

