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NEXT 【完結】
第70章 実家

実家に行く当日。
2人分の荷物を小さなトランクに入れて、電車で向かった。
地元の駅でコインロッカーに荷物を預けて、駅前をぶらぶらと歩く。
駅前にはパラパラと飲食店が並び。
少し離れた場所に小さな商店街がある。
駅校舎自体は、稜たちのマンションのある駅のほうが近代的で大きい。
「田舎でしょ」
「そう?ウチの地元もこんなもんだよ」
古びた田舎の地元の町並みに、スーツ姿の羚汰が不思議な光景だ。
稜も合わせてキレイめなワンピースを着ていて。
手をつないで歩いていると、いつもの自分たちではないような、不思議な気分になってくる。
5月も終わりが近づき、日差しが暑いぐらいだ。
「ここ!学生時代によく来たんだ」
稜が立ち止まったのは、商店街の入口近くにあるお持ち帰り専門の天ぷら屋さん。
天ぷらやフライ、コロッケやドーナツといった揚げ物が小さなショーケースに沢山並んでいる。
商店街の老舗で、昔からの佇まいが懐かしい。
中学時代に、毎日のように寄っては、名物コロッケを1だけつ買って、それを友達と分けて食べた。
当時はコロッケが70円だったがー。
「うっ。値上がりしてる。90円」
「いい匂いだね。美味しそう」
揚げたての匂いで食欲をそそられるが、母親がご馳走を用意しているらしいので、ここで食べるわけにはいかない。
残念ながら前を通り過ぎてゆく。
商店街は、以前に比べてシャッターが下りてるところも多かった。
それでも新しそうな店も増えていて。
学生時代のころとは少し様子が変わっていたが、それでもどこか懐かしい。
「あー、ここのシュークリーム美味しいんだよ。買ったら、カスタードを詰めてくれるの」
昔からあるケーキ屋さん。
軒先のテントが新しくなっているぐらいで、様子が変わっていない。
「じゃ、お土産に買って行く?何も用意してこなかったし」
お店に入り、他の綺麗なケーキたちも眺めていると、奥からお店のおじちゃんが顔を出してきた。
「いらっしゃい」
「こんにちは」
懐かしい顔でなんだかほっとする。
昔はよく来ていた。
小さな頃は、家族の誰かしらの誕生日ケーキを注文した。
高校時代は、シュークリームを買いによく来た。
2人分の荷物を小さなトランクに入れて、電車で向かった。
地元の駅でコインロッカーに荷物を預けて、駅前をぶらぶらと歩く。
駅前にはパラパラと飲食店が並び。
少し離れた場所に小さな商店街がある。
駅校舎自体は、稜たちのマンションのある駅のほうが近代的で大きい。
「田舎でしょ」
「そう?ウチの地元もこんなもんだよ」
古びた田舎の地元の町並みに、スーツ姿の羚汰が不思議な光景だ。
稜も合わせてキレイめなワンピースを着ていて。
手をつないで歩いていると、いつもの自分たちではないような、不思議な気分になってくる。
5月も終わりが近づき、日差しが暑いぐらいだ。
「ここ!学生時代によく来たんだ」
稜が立ち止まったのは、商店街の入口近くにあるお持ち帰り専門の天ぷら屋さん。
天ぷらやフライ、コロッケやドーナツといった揚げ物が小さなショーケースに沢山並んでいる。
商店街の老舗で、昔からの佇まいが懐かしい。
中学時代に、毎日のように寄っては、名物コロッケを1だけつ買って、それを友達と分けて食べた。
当時はコロッケが70円だったがー。
「うっ。値上がりしてる。90円」
「いい匂いだね。美味しそう」
揚げたての匂いで食欲をそそられるが、母親がご馳走を用意しているらしいので、ここで食べるわけにはいかない。
残念ながら前を通り過ぎてゆく。
商店街は、以前に比べてシャッターが下りてるところも多かった。
それでも新しそうな店も増えていて。
学生時代のころとは少し様子が変わっていたが、それでもどこか懐かしい。
「あー、ここのシュークリーム美味しいんだよ。買ったら、カスタードを詰めてくれるの」
昔からあるケーキ屋さん。
軒先のテントが新しくなっているぐらいで、様子が変わっていない。
「じゃ、お土産に買って行く?何も用意してこなかったし」
お店に入り、他の綺麗なケーキたちも眺めていると、奥からお店のおじちゃんが顔を出してきた。
「いらっしゃい」
「こんにちは」
懐かしい顔でなんだかほっとする。
昔はよく来ていた。
小さな頃は、家族の誰かしらの誕生日ケーキを注文した。
高校時代は、シュークリームを買いによく来た。

