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第39章 父親

「そもそも、父親が会いたいと言っているなら、本人が話にくればいいじゃないですか。なんで前園さんが俺と会うんですか」

「だって、私が何とかしなければと思ったんですもの。私、婚約者ですし」

そういうものなんだろうか。
これは父親と母親と俺たち三人の話なんじゃないのか。

まぁ、本気で結婚を考えている相手に子供がいたら、気になっても仕方ないのかもしれないけれど。

「良いことを思い付きました」

前園さんが、ポン、と手を叩いた。
こういう仕草も、世間知らずのお嬢様っぽい。
たぶん根は悪い人じゃないんだと思うんだけど。