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少年悪魔
第9章 苛立つ心
遥斗が構うのは、繭が悪魔に襲われやすくなったせいだ。
キスだって、悪魔が寄りつかないための仮マーキングで、遥斗と繭の間に恋愛感情はない。

(あれ…?)

繭の脳裏にふと疑問が浮かんだ。
繭が悪魔に襲われやすいからといって、遥斗が気にする必要はない。
仮マーキングだって、繭には悪魔が寄りつかなくなるというメリットがあるが、遥斗には何もない。
どうして、何の得にもならないことを遥斗はしてくれるのだろう。
「繭?おーい」
言葉が続かなくなったことを心配して、雛乃は声をかけるが、繭は上の空でいた。
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