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少年悪魔
第13章 そんなこと、知らない



嬉しい出来事があれば、当然その逆もある。
そんなことは解っていたが、こんなに早く来るとは思わなかった。


「――ハル」


放課後の教室で、日誌記入のために一人残っていた遥斗の耳に、歌うような声が届く。
遥斗のよく知る声だった。
「…エリー」
遥斗に名を呼ばれた女――エリーが顔を綻ばせる。
「久しぶりね。…会いたかった」
エリーが近づき、遥斗の頬に手を伸ばす。
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