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少年悪魔
第20章 違和感
「おっはよー、繭」
昇降口で繭が上履きに履き替えていると雛乃がぽんと肩を叩いた。
「ヒナ、おはよう」
笑顔を見せた繭の目は腫れていた。
それを見た雛乃が、心配そうな表情になる。
「何か、目が腫れてるよ。大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫。昨日泣けるDVD観ちゃったんだよね。もう号泣」
DVDを観たのはうそだが、余計な心配を雛乃にかけたくない。自分にさえ、泣いた理由が判らないのに。
へらへらと笑っていると、背後に気配を感じた。
「おはよう」
声を掛けられ振り向くと、男子生徒が優しそうな笑顔を向けていた。
「ハル、おはよー」
雛乃が当たり前のように男子生徒に挨拶を返した。
「ヒナ、知り合い?」
繭の言葉に、雛乃がぎょっとする。
「何言ってんの、繭。ハルはクラスメイトでしょ」


――クラスメイト?


繭にはさっぱり覚えがなかった。
「ヒナ。ま…、柳井さんとはそんなに話したことがないから、僕のこと印象にないと思うよ」
「ああ、そっか、そうかも」
雛乃がうんうんと頷いたが、繭はどうにも納得いかない。
二学期半ばまでクラスメイトの顔を覚えていないなんてことがあるのだろうか。
「…なんか、変」
昨日見た異形の姿。
身に覚えがない痣。
顔を覚えていないクラスメイト。
違和感だけが繭の中に残った。
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