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私と絵のぐと
第6章 新しい自分 
あの夜一人の女性から目が離せなかった。




「瑠晴さん!もうそろそろ、人物画描く気になれませんか?」

「あー?んー。そのうちな。」

描きたいと思えない人を描けなかった。
プロとしては、最低な理由っていうのも知ってる。

「今ですよ!タイミングとしては!」

必死に俺の絵を気にしてくれるスタッフの一人。

「あー。そーだなぁ。」

ーバタン!ー

個展会場から夜の街へ抜け出した。
好きな仕事をやれるっていうのは、自由そうでそうでもない。
周りから色々なことを言われ、そのうち俺が操り人形になるんじゃないかって思った。

「あー。綺麗な月だ。」


?

この女。
目が綺麗だ。
こいつだ。
俺の求めているモデルは。

彼女に声を掛けるのも必死だった。
最高に上手い演技だったと思う。
役者にもなれっかな?

案の定彼女は、個展に足を運んでくれた。

ここまでは、計画通り。

モデルを引き受けてくれるかどうか。

半ば強引にアトリエに連れて行った。


そのうちに秘めた思いが滲み出てる感じも
澄んだ瞳なのに、色がないところも
華奢な体も

全部俺の色で染めたいと思った。
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