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私と絵のぐと
第8章 気持ちを押し殺して
「……………っと…終了。優瑠ありがとな。」

「おわったんだね!フー!」

「今度、お礼させてくれ。もちろん報酬と別に。」

そんなものいらないのに。
本当にモデル終わっちゃうんだ。

「うん。…それじゃ…帰るね。」

「車で送る。」

「電車の方が早いから、大丈夫だよ!」

「……そんなに、俺と居たくないのか?
 初めは三連休を過ごす予定だったろ?なのに、いきなり帰るとか言うし。……俺はどーしたらいいんだ…。」

あからさまに傷ついた顔をしている。

「……瑠晴…。」

私以外の人にもそんな顔見せるの?
なんで、そんな顔するの?

「まぁ…しかたないよな。さぁ…出るぞ。」

私に背を向けて歩き始める。

私は、その姿にかける言葉もなく後を追った。


結局車で送ってもらうことになった。

「「………………。」」

この沈黙を破ったのは瑠晴の方だった。

「元彼とより戻すのか?」

「え…それはないよ。なんでそんなこと聞くの?」

「そろそろ見返してやれそうだろ?」

「うん…。」

「いい仕事したな。俺!」

ばか…。
そんな笑顔で言わないで。

「私は、当分人を好きになれないや…。」

「ふーん。まだ傷は癒えてないってことか。」

そうだよ。瑠晴が忘れさせてくれたけど、その分傷は深くなった。
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