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私と絵のぐと
第8章 気持ちを押し殺して
「ここで、大丈夫。送ってくれてありがとう。」

「あぁ。また今度な。後日連絡するよ。」

「うん!わかった。じゃ…。」


瑠晴に引き止められることなく車を出た。私は、絶対に振り返らないと決めた。

こんなに寂しいと思う夜はない。
私と瑠晴はビジネスだった。こんな何も才能もない私をモデルにした。

「完全した絵見てないな…。」

私は、ポツリと呟き深いため息を落とす。

ーブーッブーッ!ー

携帯が鳴る。瑠晴だったらと心のどこかで思っていた。



遥斗



ディスプレイに移し出された文字に、手が震える。

「もしもし…。」

『あー、優瑠?いきなりごめん。電話出てくれないかと思った。』

「どうしたんですか?」

電話なら多少声が震えていたとしてもバレない。

『なんか、優瑠と離れてから気づいたことがあって。
 良かったら今から飯でも行かないか?』

男って、いきなり態度が変わる。
寂しさも手伝って私は、食事の約束をしてしまった。

「いいよ。どこで待ち合わせる?」

『迎えに行くから待ってて。それじゃ。』

私のこころに真っ黒なモノが渦巻いていく。

ーピンポーンー

「よし。負けるな。私!」

マンションの前には遥斗が立っていた。

「お待たせ!どこ行く?」

「俺らがよく行ってたバーにでも行こう。」

二人は無言で歩き始める。
今日は、月が霞んでいて綺麗に見えない。

こじんまりとしたバーに入る。
マスターは顔色一つ変えず、カクテルを作り始めた。


「優瑠。俺と別れてからなんかあった?」

的を獲たような彼の発言に驚くが、うまくかわす。

「ううん。何も。」

「そうか。雰囲気変わったよ。…綺麗になった。」

そう。全ては瑠晴のおかげ。

「そんなことないよ。何も変わってない。」

「俺への気持ちも?」

「え…?」

「俺のことまだ好き?」

何を言い出すかと思ったら、こんなことか…。

「ううん。もう気持ちの整理はついたし、大丈夫だよ。」

「……そっか…。」
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