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私と絵のぐと
第3章 衝撃
あの男は誰だったんだろう。

端正な顔立ちとは真逆な強引さ。

どちらかというと、良い印象ではなかった。

けれど、この男が進める須崎瑠晴という画家の個展に興味をもった私は、気晴らしに足を運ぶことにした。

絵画なんて興味はなかったが、この失恋をきっかけに、新しいものを吸収しようという気持ちでいた。


電車にのり、20分。おしゃれなカフェが立ち並ぶ一角に個展を見つけた。

「あ…ここだ。」

お客さんが数人居るようで、私もお客のひとりになった。

「うわ…。」

目の前に並ぶ絵画は、私の心を掴んだ。

一つひとつキラキラと輝いてる。

どれも風景画ばかりだが、一つだけ月の絵画があった。

どこか寂しくて、心が締め付けられた。
今の私みたいだ。

「やっぱりきたな。」

この声にハッとした。
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