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第4章 ト

優しく身体中を撫でていた手が胸で止まる。
ブラを外して直接触られるその感覚は
やっぱりさっきのモノとは違って
暖かい手がおっぱい全体を包み込んだ。

お互いに舌を口の外にだして絡ませ合う。
唾液が銀色の糸を引く。

不意に胸から手を離した蒼くんが
両手いっぱいに私を抱きしめた。

「本当の初めての時よりドキドキする。
上手く出来なかったら、ごめん」

そう言って私を後ろのベッドに寝かせると
優しく服を脱がせた。
私も蒼くんの服を脱がせる。
裸になったお互いを抱きしめながら何度も何度もキスを繰り返した。

５年前にできなかったキスを
取り戻すかのようにキスを繰り返した。

切ないぐらいゆっくりと
じれったくなるぐらいゆっくりと
身体中を撫でられる。

乳首を舐められて口の中で舌をからませる。
蒼くんの手がぎこちなく私の秘部に触れば
「濡れてる」
と嬉しそうに、はにかんだ。

「んっっ・・・」

指が奥へ奥へと入って行き
そのたびに私の身体が反応する。

「はぁ・・ぁぁぁ・・・・・ぁ」
「里香」

切ないほどの声に耳からも刺激されて
ぎゅっと抱きつけば
「ごめん。もっとゆっくりしてあげたいけど。
俺が持たない」
と笑いながらゴムを付けた。

「あっっ」

私の中に入ってきた蒼くんは
ゆっくりとした律動を繰り返して私を浮遊させる。

「里香。気持ちいい？」

その動きとは逆に私の気持ちを気にしながら
さらに高く私の腰を持ち上げる。

「ん。んっ。ぁぁ」

声を抑えようと片手を口に当てるけど
身体の奥から漏れ聞こえる声を抑えきることは出来なくて。

「里香。もっと声出して。聞きたい」

荒い吐息とともに蒼くんが私にお願いするけど。
思うように声を出したら
気持ちまで吐き出してしまいそうで。

「そうく・・・ん」
「ん？」

「気持ち・・い・・・ぃ」

好きの代わりに気持ちがいいと言う事しかできなかった。