この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
カウントダウン
第6章 ウ
「なん・・・で?」
「ゼロになったから」
「梅雨が終わったら、海に行く約束したじゃん!」
「うん。でもよく考えたら水族館のあとに海に行っただろ?」
それは子どもをなだめるように。
わがままな子供に根気強く諭すように。
蒼くんは私に話し続けた。
外で降り続く雨はもう5日目だ。
「まだ・・・まだカウントはあるもん!」
このまま蒼くんと別れたくない!
次に女の子と歩いている蒼くんを見たくない!
「俺のやりたいカウントはゼロになったんだよ」
「うそ!」
食堂だということも忘れ、蒼くんを問い詰めた。
もう午後の講義は始まっていて。
食堂は人がまばらだった。
「蒼くん。なんでこんなに急なの?」
「・・・・」
「蒼くん!」
「俺が教えてやろうか?」
元カレがため息をつきながら私たちのテーブルに近づいてきた。
「え?なんであんたが・・・」
「里香さぁ。自分が近頃、周りになんて言われてるか知ってる?」
「おい!」
蒼くんがそれ以上言わないように凄んで見せるけど
元彼はそんな顔なんか意に返さず話し続けた。
「蒼と里香がなかなか別れないから、オンナ達から里香はセックスで
蒼をつなぎ止めてるって言われてる」
「―――うそっ」
「ホント。淫乱女だって」
「・・・・」
「出処はやっかみだけどね。もう俺たちで消せないぐらい広がってる」
うそ・・・
「ゼロになったから」
「梅雨が終わったら、海に行く約束したじゃん!」
「うん。でもよく考えたら水族館のあとに海に行っただろ?」
それは子どもをなだめるように。
わがままな子供に根気強く諭すように。
蒼くんは私に話し続けた。
外で降り続く雨はもう5日目だ。
「まだ・・・まだカウントはあるもん!」
このまま蒼くんと別れたくない!
次に女の子と歩いている蒼くんを見たくない!
「俺のやりたいカウントはゼロになったんだよ」
「うそ!」
食堂だということも忘れ、蒼くんを問い詰めた。
もう午後の講義は始まっていて。
食堂は人がまばらだった。
「蒼くん。なんでこんなに急なの?」
「・・・・」
「蒼くん!」
「俺が教えてやろうか?」
元カレがため息をつきながら私たちのテーブルに近づいてきた。
「え?なんであんたが・・・」
「里香さぁ。自分が近頃、周りになんて言われてるか知ってる?」
「おい!」
蒼くんがそれ以上言わないように凄んで見せるけど
元彼はそんな顔なんか意に返さず話し続けた。
「蒼と里香がなかなか別れないから、オンナ達から里香はセックスで
蒼をつなぎ止めてるって言われてる」
「―――うそっ」
「ホント。淫乱女だって」
「・・・・」
「出処はやっかみだけどね。もう俺たちで消せないぐらい広がってる」
うそ・・・