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crazy night
第1章 淡い恋心
金曜日の19時すぎ、開発部フロアの隅に、黒髪を後ろで一つに束ねた女性の姿があった。
画面を睨みつけるその女性は、約束の時間を過ぎていることに気がつかなかった。
17時まではその約束のことで頭がいっぱいだった。
その人との約束があるからこそ、仕事も頑張れた。
ほぼ完成しかかっていた仕事に、上司から現場側から新たな要望が出たことを、聞くまでは。
仕事スイッチが入ってしまった彼女は、一心不乱にCAD画面にかじりついていた。
そんなとき、ポケットにいれたままの仕事用PHSが鳴る。
ふと我に返った彼女は、しまった…というような顔をし、慌てて電話口の相手へ応答する。
「有紗ちゃん?お疲れ様。仕事、どうかな?終わりそう?」
「すみません!!!うっかりして…本当にごめんなさい、忘れてたわけじゃないんです!!」
「いいよ、いいよ、俺も終わったとこだし、さっと社内風呂入ってきていいかな?」
雄二のさりげない気遣いがじんとくる。
じゃぁ、30分後に…とPHSを切った有紗は、一つ深いため息をつき、締め切りにまだ時間のある仕事に区切りをつけた。
化粧室で少し疲れた肌にファンデーションを、唇には既に完全にとれてしまった口紅を薄くひきなおす。
仕上げにコロンでチェリーブロッサムの香りを身にまとい、笑顔の練習を一度だけして待ち合わせの場所へ急いだ。
画面を睨みつけるその女性は、約束の時間を過ぎていることに気がつかなかった。
17時まではその約束のことで頭がいっぱいだった。
その人との約束があるからこそ、仕事も頑張れた。
ほぼ完成しかかっていた仕事に、上司から現場側から新たな要望が出たことを、聞くまでは。
仕事スイッチが入ってしまった彼女は、一心不乱にCAD画面にかじりついていた。
そんなとき、ポケットにいれたままの仕事用PHSが鳴る。
ふと我に返った彼女は、しまった…というような顔をし、慌てて電話口の相手へ応答する。
「有紗ちゃん?お疲れ様。仕事、どうかな?終わりそう?」
「すみません!!!うっかりして…本当にごめんなさい、忘れてたわけじゃないんです!!」
「いいよ、いいよ、俺も終わったとこだし、さっと社内風呂入ってきていいかな?」
雄二のさりげない気遣いがじんとくる。
じゃぁ、30分後に…とPHSを切った有紗は、一つ深いため息をつき、締め切りにまだ時間のある仕事に区切りをつけた。
化粧室で少し疲れた肌にファンデーションを、唇には既に完全にとれてしまった口紅を薄くひきなおす。
仕上げにコロンでチェリーブロッサムの香りを身にまとい、笑顔の練習を一度だけして待ち合わせの場所へ急いだ。