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crazy night
第10章 不協和音
店の予約まで少し時間があり、きらびやかな町並みを二人で歩いていた。

「有紗ちゃん、少し痩せたんじゃない?」

元々華奢だった身体が、最近の心労もたたって余計に線を細く見せていた。

そうですか?と誤魔化したが、食が細くなっていたのもまた事実であった。



週末ということもあり、人通りはいつもより多い。


行き違う人と、ぶつかりそうになり雄二がグッと肩を抱き有紗を内側へ寄せる。


その瞬間、有紗の目の前に雄二が真由を抱き締める光景がフラッシュバックした…

とっさに肩に置かれた手を離すように、雄二から身を離してしまった。

「ありがとうございます」


笑顔で取り繕うが、有紗の胸は張り裂けそうだった…
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