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crazy night
第11章 蜜の味
「ったく…本当に放っておけない娘だな…」

有紗の手を引きながら、雄二はちっと舌打ちをしそうだった。

手から雄二さんの苛立ちが伝わってくるようだった。

なぜ今、また雄二が追いかけて来てくれたのか、なぜ連れられているのか、どうしてこんなにも怒っているのか…
有紗にはわからなかった。

雄二は足早にどこかへ向かっている。

タクシーに乗り込み、ここから30分くらいのところを運転手に依頼した。

「あの、どこへ…」

「俺の家。」


えぇっと目を丸くする有紗。


雄二の手はしっかりと、有紗の手を握ったまま離さなかった。

顔をしかめたままの雄二は外を眺めている。
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