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第3章 J

俺は、今まで何人もの人間を殺した…

何人も何人も何人も…‼︎


この手で切り刻んできた。

…何も感じない…恐怖も…嫌悪も…罪悪感も…



…狂気も

俺は、何も感じない…

だからこそ知りたいと思う…


彼女を見た時に感じる、この胸の痛みの理由を…


心臓が痛い…

病気なのか？

もし、そうなら…病院に行くことのできない俺には知ることのできないだけの話だ…



それなら…




知ろうとすればいい…


そう…俺が他の人間の奴等の胸を開き…

心臓を見てみればいい…















…俺は、今まで何人もの人間の胸を開いてきた…




家族と笑っている男の心臓…







怒っている宿屋の女の心臓…






泣いている子供の心臓…









焦点の合わない男の心臓…















…彼女が俺を見る瞳と同じ瞳の女の心臓…









嗚呼…やはり分からない…










どうして彼女を見ると胸が痛いんだ…
















そうだ…



彼女の胸を開いて、彼女の心臓をこの手で見てみよう…









どうして、こんな簡単なの事に気がつかなかったんだ…





























俺は、彼女を家の地下室に閉じ込めた









ーなぜだ？彼女は俺を見て泣く…


ーなぜだ⁉︎彼女は俺から逃げようとする…


ーなぜだ‼︎彼女の目には俺が映っていない…‼︎

ーなぜだ‼︎

なぜだ‼︎

なぜだ‼︎‼︎



この…



甘い香りのする血にまみれた…


暖かい…


彼女の心臓を抱きしめても…







何も分からないんだ…







なぜ…




俺の頬は濡れている…








…俺の心臓は、どうだ？




俺の心臓は、彼女と同じだろうか…？





開いて見てみたら…


分かるだろうか？











嗚呼…






愛する君と同じ…だろうか…？