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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第4章 02 SceneⅡ(ジューン・ブライド)
だが、その頃になると、美月は考えるようになった。いつまでもこんなことを繰り返していても、意味がない。晃司との〝契約〟で得た金のお陰で、美月は父の残した借金を完済することはできた。
しかし、美月は本当の意味で借金を返したのではないということに気付いたのだ。
たとえ父が借りた金は片がついたとしても、今度は新たに美月があの男に借金をしただけ。ならば、たとえどれだけかかっても、その金は返すべきだ。それに、美月自身、もう今の生活が嫌になっていた。
しかし、美月は本当の意味で借金を返したのではないということに気付いたのだ。
たとえ父が借りた金は片がついたとしても、今度は新たに美月があの男に借金をしただけ。ならば、たとえどれだけかかっても、その金は返すべきだ。それに、美月自身、もう今の生活が嫌になっていた。