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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第5章 ☆♯03 SceneⅢ(SeaSide~海辺にて~)☆
だが、ゆきずりのマスターにそんなことを訊ねるわけにはゆかない。幾ら優しそうで人生の酸いも甘いもかみ分けているようなマスターでも、美月が真剣に問えば、そんな話は占い師のところか人生相談所に行きなさいと忠告するだろうし、さもなければ、憐れみを込めた眼で冷ややかに見つめられて、それで終わりだろう。
物想いに耽る美月の真後ろで、ガラスのドアが音を立てて閉まる。同時に、それまで聞こえていたユーミンの歌もふっつりと止んでしまった。
物想いに耽る美月の真後ろで、ガラスのドアが音を立てて閉まる。同時に、それまで聞こえていたユーミンの歌もふっつりと止んでしまった。