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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第6章 ☆♯04 SceneⅣ(情炎~JOUEN~)☆
 美月から抱きついてきたことに気を良くしたのか、晃司の頬がわずかに緩む。晃司とすれ違う寸前、その女性が立ち止まった。
 年の頃は四十前後、仲居のお仕着せではなく、紫の訪問着を身に纏っていることから、この旅館の女将その人であることが判る。
 美月はいっそう晃司の胸に顔を押しつけた。あまりの恥ずかしさに、この場で消えてしまいたかった。
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