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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第3章 ☆♯01 SceneⅠ(紫陽花の庭)☆
美月はデスクの一番上の引き出しから疲れ眼用の眼薬を取り出し、手早く点眼する。
片隅の百円ショップで買ったガラスの一輪挿しに誰が入れてくれたのか、淡いブルーの紫陽花が無造作に投げ入れられている。こんな気の利いたことをさりげなくしてくれるのは、同期の実(み)由里(ゆり)だろう。
四年制大学を出た実由里は同期入社といっても、実年齢は美月より二歳年長である。同じ頃に入社した女子社員が次々と結婚退社をして辞めてゆく中、今では美月と実由里の他に残っているのは数人になってしまった。
片隅の百円ショップで買ったガラスの一輪挿しに誰が入れてくれたのか、淡いブルーの紫陽花が無造作に投げ入れられている。こんな気の利いたことをさりげなくしてくれるのは、同期の実(み)由里(ゆり)だろう。
四年制大学を出た実由里は同期入社といっても、実年齢は美月より二歳年長である。同じ頃に入社した女子社員が次々と結婚退社をして辞めてゆく中、今では美月と実由里の他に残っているのは数人になってしまった。