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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第6章 ☆♯04 SceneⅣ(情炎~JOUEN~)☆
晃司は感情の読み取れぬ瞳で美月をしばらく見つめ、思いかけぬことを口にした。
「終日(ひねもす)山(やま)の伝説を知っているか?」
唐突に問われ、美月は当惑した。この温泉宿は終日山の頂に建っている。が、その名の由来が今、美月とどう拘わりがあるというのか。美月の困惑をよそに、晃司は意味ありげな笑みを刻む。
「大昔、まだ神世(かみよ)の時代のことだ。荒ぶる男神(おがみ)が美しい女神に求婚したそうな」
「終日(ひねもす)山(やま)の伝説を知っているか?」
唐突に問われ、美月は当惑した。この温泉宿は終日山の頂に建っている。が、その名の由来が今、美月とどう拘わりがあるというのか。美月の困惑をよそに、晃司は意味ありげな笑みを刻む。
「大昔、まだ神世(かみよ)の時代のことだ。荒ぶる男神(おがみ)が美しい女神に求婚したそうな」