この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第3章 ☆♯01 SceneⅠ(紫陽花の庭)☆
そんな彼女が何故、いつまでも独身どころか、彼氏の一人もいないのかを美月は訝しく思ってきた。当人に言わせれば、〝あんまりにも色気がないからよ〟とこれも何げなく笑って言うけれど、世の中の男どもはつくづく見る眼がないものだと思う。
黒縁メガネを年中かけていて、黒髪剛毛、筋金入りのストレートヘアを後ろで引っつめた色気ゼロ、愛敬ゼロ、化粧っ気ナシの〝速見(はやみ)の局〟(←後輩男子Sの言)と称される美月よりは、実由里の方が格段美人度も女子力も上のはずだ。
黒縁メガネを年中かけていて、黒髪剛毛、筋金入りのストレートヘアを後ろで引っつめた色気ゼロ、愛敬ゼロ、化粧っ気ナシの〝速見(はやみ)の局〟(←後輩男子Sの言)と称される美月よりは、実由里の方が格段美人度も女子力も上のはずだ。