この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第8章 ☆♯05 SceneⅤ(AnniverSarY~記念日~)☆
幸運なことに、傷は浅く、縫合することで血は止まった。しかし、思いの外、出血量が著しかったため、医者からは一週間の入院を言い渡されることになった。
その二日目の夜更け、美月は病室をこっそりと抜け出した。幸いにも大部屋ではなく一人部屋であったので、脱出は難なく成功した。
美月が部屋を出たのは当直の看護婦が見回りにくる三十分前のことだった。元々、脱走者なぞそうそういるはずもなく、その巡回の看護婦にさえ見とがめられなければ、上手くいくと思った。
その二日目の夜更け、美月は病室をこっそりと抜け出した。幸いにも大部屋ではなく一人部屋であったので、脱出は難なく成功した。
美月が部屋を出たのは当直の看護婦が見回りにくる三十分前のことだった。元々、脱走者なぞそうそういるはずもなく、その巡回の看護婦にさえ見とがめられなければ、上手くいくと思った。