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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第3章 ☆♯01 SceneⅠ(紫陽花の庭)☆
「社長、お話とは一体―」
こんな男に媚びへつらうのは反吐が出そうだったけれど、哀しいかな、宮仕えの身では、たとえ上司が―しかも相手が社長(トツプ)ともなれば―どんなに虫の好かない奴だったとしても、下手に出なければならない。
借金の返済はいまもって延々と続き、今のままでは、五年後どころか十年後になっても片が付く目途はない。今ここで、この会社から三下り半をつきつけられた日には、今度は、美月自身が首をくくることにもなりかねないだろう。
こんな男に媚びへつらうのは反吐が出そうだったけれど、哀しいかな、宮仕えの身では、たとえ上司が―しかも相手が社長(トツプ)ともなれば―どんなに虫の好かない奴だったとしても、下手に出なければならない。
借金の返済はいまもって延々と続き、今のままでは、五年後どころか十年後になっても片が付く目途はない。今ここで、この会社から三下り半をつきつけられた日には、今度は、美月自身が首をくくることにもなりかねないだろう。