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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第3章 ☆♯01 SceneⅠ(紫陽花の庭)☆
「ああ、折角の休み時間に済まないね」
社長室の立派な革張りの椅子にゆったりと座った社長は、ものやわらかな笑みを浮かべる。通称〝キラー・スマイル〟、視線一つで女を落とせるという専らの噂の微笑らしい。
この社長―押口(おしぐち)晃司(こうじ)は、この日本を代表する子ども服の専門店チェーン〝天使(エンジェル・)の樹(ツリー)〟を傘下におさめるアパレル・メーカー〝K&G〟ホールディングスの若き社長である。
社長室の立派な革張りの椅子にゆったりと座った社長は、ものやわらかな笑みを浮かべる。通称〝キラー・スマイル〟、視線一つで女を落とせるという専らの噂の微笑らしい。
この社長―押口(おしぐち)晃司(こうじ)は、この日本を代表する子ども服の専門店チェーン〝天使(エンジェル・)の樹(ツリー)〟を傘下におさめるアパレル・メーカー〝K&G〟ホールディングスの若き社長である。