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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第9章 ♯06 SceneⅥ Autum Park
病院を出た後、しばらく二人は無言で歩いた。しばらくして、勇一がポツリと呟くように言った。
「美月さん、あの時、本当は先生に生みたくないって言うつもりだったんだろう?」
突然の言葉に、美月は息を呑んで傍らを歩く勇一を見つめる。
「ほら、最後に先生が駄目押しのように訊いただろ、赤ちゃんは生みますよねって」
―図星だった。あの瞬間、美月は確かに言うつもりだった。こんな赤ちゃんなんか要らないから、中絶させて欲しい、と。
「美月さん、あの時、本当は先生に生みたくないって言うつもりだったんだろう?」
突然の言葉に、美月は息を呑んで傍らを歩く勇一を見つめる。
「ほら、最後に先生が駄目押しのように訊いただろ、赤ちゃんは生みますよねって」
―図星だった。あの瞬間、美月は確かに言うつもりだった。こんな赤ちゃんなんか要らないから、中絶させて欲しい、と。