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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第9章 ♯06 SceneⅥ Autum Park
短い沈黙の後、勇一が珍しく思いつめたような顔で溜息をついた。
「可哀想だよ。美月さんの気持ちや戸惑いは俺だって判るけど、でも、お腹の子には何の罪もないんだぜ? なのに、大人たちの思惑や都合だけで一方的に生まないだなんて、あんまりにも勝手すぎるんじゃないかな」
言葉は穏やかだったけれど、その内容は辛辣なものだった。勇一の言葉は、美月が極力顔を背けて、見ないようにしようとする現実をあからさまに突きつけてくる。
「可哀想だよ。美月さんの気持ちや戸惑いは俺だって判るけど、でも、お腹の子には何の罪もないんだぜ? なのに、大人たちの思惑や都合だけで一方的に生まないだなんて、あんまりにも勝手すぎるんじゃないかな」
言葉は穏やかだったけれど、その内容は辛辣なものだった。勇一の言葉は、美月が極力顔を背けて、見ないようにしようとする現実をあからさまに突きつけてくる。