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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第9章 ♯06 SceneⅥ Autum Park
 花が優しく風にそよぐような。
 互いの呼吸すら聞こえてきそうなほど間近に勇一の貌が迫っていた。桜色の唇を塞がれた瞬間、美月の身体がふるりと震えた。
 恋人たちの幸せな時間を邪魔しないように、大銀杏の樹がそっと優しく木の葉を落とす。
 その他には、人影もない静かな秋の公園だった。
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