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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第9章 ♯06 SceneⅥ Autum Park
「俺だって、まだ彼女の方から抱きしめて貰ったことなんかないのに」
 勇一はなおも美月とクッキーを眺めていたが、小さく肩をすくめて嘆息した。
「でも、犬にヤキモチを焼く俺も俺か」
 呟くと、犬にさえ嫉妬する自分に照れるように笑い、ぐっすりと眠る美月の上から毛布をかけてやった。
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