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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第10章 ♯07 SceneⅦ(Christmas Calender)
―どうしてなのかしら。
 キスは平気だし、抱きしめられてもその腕の中を何より心地良い場所だと思えるのに、どうしてそれ以上は進めないのか。
 勇一に申し訳なくて涙ぐむ美月を勇一はそっと抱きしめて、髪を撫でてくれる。
―俺は待つから、大丈夫だよ。美月。
 いつしか勇一は美月を〝さん〟はつけずに、呼び捨てにするようになっていた。
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