この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第10章 ♯07 SceneⅦ(Christmas Calender)
あれほど晃司の血を引く子を生むことを躊躇っていたにも拘わらず、今、美月はお腹の子どもを全力で守ろうとしている。それは紛うことなき母の姿であった。
―一刻も早く勇一さんのところに行かなければ、お腹の子どもがどうなってしまうか判らない。
美月は焦燥感に駆られながら、懸命に前に進もうとするが、逆風の中を歩くのは至難の業であった。ともすれば、真っ向から吹きつけてくる風に飛ばされそうになってしまう。
―一刻も早く勇一さんのところに行かなければ、お腹の子どもがどうなってしまうか判らない。
美月は焦燥感に駆られながら、懸命に前に進もうとするが、逆風の中を歩くのは至難の業であった。ともすれば、真っ向から吹きつけてくる風に飛ばされそうになってしまう。