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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第10章 ♯07 SceneⅦ(Christmas Calender)
晃司がハンドルを操りながら、酷薄な眼で美月を一瞥する。
「ホウ? あの若造がお前の腹の子の父親だと―、お前はそう言うのか」
突如として晃司がアクセルを踏み、車が急停車する。
路肩に寄せて車を止めた晃司が燃えるような眼で美月を睨み据えた。もし、視線だけで人を射殺すことができるのであれば、美月はこの場で生命を絶たれていたに相違ない。それほどまでに烈しいまなざしであった。