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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第10章 ♯07 SceneⅦ(Christmas Calender)
 先刻までの彼とは、まるで別人のようだ。
 美月の双眸に、烈しい怯えが浮かぶ。
「嘘をつけ、腹の子があいつの種であるはずがない」
 美月は懸命に首を振った。
―ここで負けては駄目!
 必死で自分を鼓舞する。もし、ここで腹の赤ン坊が晃司の血を分けた子であると知れば、晃司はすぐにでも美月を強引に連れ戻そうとするだろう。
 だからこそ絶対に認めるわけにはゆかない。
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