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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第11章 間章~ふたたびの夢~
「そっか、美月は梅芳に逢ったのか。梅芳は美月を哀しませまいと、最後に美月のところにお別れを言いにきたんだな」
勇一が涙声で呟いた。
「美月、ごめんな。俺がお前を守ってやれなかったばかりに、お前にまた、辛い想いをさせた」
美月は白い鉄柵のついたベッドに寝かされていた。壁も天井も白一色の世界、ここが病院であることは、言われなくても判った。身体中、至るところに包帯が巻かれていて、これでは、まるでミイラだ。